昭和をなめんなよ
ウチの作業所は62歳から高校を卒業して入った18歳と年齢が幅広い。元々A型事業所自体、障害を抱えて一般企業では勤められない人たちが職業訓練みたいな形で働く場所なのだ。
私がそもそもこの事業所に入所したのも、正直一般の会社に入るのはまだリスクが高いと判断したからだ。
結婚以来、勤めては辞めあるいはクビになるという事態を数え切れないほど繰り返していた。疲れた。というのが、正直な感想だ。
家内には結婚直前、私の精神疾患が発覚したので長年迷惑をかけたなと思っている。追々書き綴るが、男としてなんとかせねばなるまいという重圧を感じ続けていた。
その果てに今の作業所に流れ着いたわけである。年齢も去年で50歳を迎えたので、一般就労はほぼあきらめている。まあ、仕方あるまい。
気になることがある。私たち何人かの昭和生まれに対して、ある平成生まれの女の子が挑発的な発言をしてくることだ。
「ウチ、平成人だし昭和人のことなんかわからないもんね〜」
仕事はできるのだが口の利き方が乱暴で、ここでは通用しても一般企業では爪弾きにされるだろうなと本人のためにも同情を禁じ得ない。
平成生まれはゆとり世代と、私たち昭和世代はとかく批判がちにレッテル貼りをしてきてしまった。その非は認めよう。
しかし、若さゆえの無知から自分の父親くらいの人やそれより年配の人を捕まえて半ばからかうような物の言い方をするのはいかがなものか。
私自身、自分が19、20歳の頃は想像だにしていなかったことがある。それは自分もいずれは、親と同じくらいには年を取るということだ。
若者の目が現在しか見てないにせよ過去に引きずられているにせよ、誰でも生きている限り人は平等に老いてゆく。
当たり前過ぎるこの現実を直視しないと、いずれは自分より若い世代から同じ扱いを受けかねない。彼女には早くそのことに気づいてほしいし、年寄りだと思ってディスらないでほしい。
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